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✞ 4話 運動部と男性顧問 ✞

2023/02/15
文字数:約1167文字
 中学では、最初に運動部に入った。
 運動音痴の私が、運動部に入ったのは単なる興味本位と友達に誘われてだった。
 最初は友達と一緒に真面目に部活をしていた。

 部活場所は3カ所あって、一つは学校。一つは家から遠い体育館。一つは家の近くの体育館だった。
 一年生は道具の片づけがあった。放課後に部活が終わると、道具を学校に運ばなければいけなかった。
 数回は真面目にそれをやった。けど、友達と話して、家から近い体育館の時は私の分も道具を運んでもらう。
 家から遠い体育館の時は私が、友達の分の道具を学校に運ぶということにした。
 その方がお互いに、そのまま家に帰れてよかった。
 けれど、他の一年生たちはよく思わなかった。彼らは電車通学だったので、どちらの体育館も学校に戻ってから駅に向かう事で問題がなかったからだ。
 私たちだけが『ズルをしている』という話になって、「ちゃんと学校に戻る事」という注意が顧問からされた。

 仕方なく、元の通り学校に戻る事になった。
 暗い夜道がますます暗くなる中、街灯も少ない田舎道を自転車で進む。自動車のヘッドライトで目がくらむ中でこぐ自転車は、スリル満点だった。

 やがて、練習合宿で二泊する事になった。
 練習が終わると、男性顧問が
「おーい。腰をもんでくれ」
 と先輩を呼びつけるのが聞こえた。
 それに答えて、先輩が顧問に近づき、腰をもみ始める。
 違和感と気持ち悪さを感じたが、皆は気にしている様子はなかった。
 さらに翌日の練習後、顧問がリラックスした態度で部員全員を集めて雑談を始めた。
「○○は、よくやっている。○○はこーいう欠点が直ればいいんだけどな……」
 と、一人一人に感想を述べる。それを聞いて、皆がやる気を出すのが分かった。
 私はと言えば……顧問が何を言っていたのか忘れてしまった。
 ただ、何だか異様だなと感じたのを覚えている。
 その日も先輩は顧問の腰をもんでいた。


 しばらくすると、練習試合があった。
 その帰り道のバスの中。狭い車内なので、他の人たちの話が聞こえてくる。
 聞くともなく、耳に入ってくる話を聞いていると、唐突に

「何笑っているの?気持ち悪い」

 と言われてしまった。
 聞くともなしに聞いていた話が面白くて、つい顔に出てしまっていた。
 傍にいた友達からも「笑わない方がいいよ」と言われた。


 そのうち、私に練習の連絡がなくなった。
 練習に行っても、「今日は一年生は来なくていいのに」と追い返される。かと思えば、「何で練習に来なかったの?」と、全く聞いていない練習があったりする。
 友達に聞くと、「聞いていない方が悪いんでしょ」と返ってきた。
 なるほど、私は切り捨てられたのかと理解した。
 正直、チームプレーは無理だなとも感じていた。顧問との気持ち悪い関係も、私にはなじめなかった。


 そして、私は美術部に移った。




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