文字数:約681文字
この物語を書くずっと前に私は、『×××』という物語を書いた。
傷ついていた私が、傷ついた中で出来たのは物語を書く事。
それが何になるのかと言われても分からないが、私には『書く事』しかなかった。
書いて、傷をえぐって、少し離れて見つめて。
そうして、書き直したものが『×バツ×』だった。
えぐれた傷はちゃんと『傷がここにある』と私に伝えてくれる。
鈍感な私はこうやって、文章にしてちゃんと『傷』と認識しなければ傷がある事が分からなくなる。
『トオツキ&トウツキ』も、傷の再確認のために書き始めた。
そして『×××』と同じように、一度書いたモノを書き直して仕上げた。
特に『トウツキ』の部分は一度目に書いたときは、まだ傷があちこちに残っていた。
書き直して、『トオツキ』に『逃つ機』の章を入れて、『トウツキ』に『訪つ奇』を追加した。
最初は学生時代と社会人時代で分けるつもりだった。でも、それは歪 だなと思って『トオツキ』と『トウツキ』の境はどこにあるのかを考えなおした。
『トオツキ』は時間で区切られた子供時代の物語。
『トウツキ』は人間で区切られた大人時代の物語。
物語を紡ぐ事でしか、呪いは解けない。
これが、私の呪いの解き方。
時間はまだ続いている。
この先は『物語で区切られた物語時代』にしたい。
これが『物語』であるのは、会長様 の言葉から
「他人の人生は、他人の物語でしかないんだよ」
私の人生は、他人にとっては『物語』
それでいい。
出会えた全ての人に感謝を込めて。
トオツキ&トウツキはこれで、終わりです。
ここまで、読んでくださってありがとうございました。
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