2020年 4月のアーカイブ
✞ ☆番外☆ 運動会 ✞

✞ ☆番外☆ 運動会 ✞

文字数:約701文字  中学で、運動会の看板を描く事になった。  それぞれの団の後ろにある、応援の看板。それは四神の姿が描かれていて、その年もそれぞれの団が四神を描いた。  下絵に沿って、塗る。たぶん、美術部だったからだと思うけれど、なぜそうなったのかは覚えていない。  私とこ...

✞ ☆番外☆ 迷った部活 ✞

✞ ☆番外☆ 迷った部活 ✞

文字数:約433文字  中学校と違って、高校では部活は入らなくてもよかった。  強制的にどこかに所属しなければいけなかった中学と、全く自由な高校。  私は美術部に再び入ろうかと考えた。  が、美術室は音楽室の真上だった。音楽室では吹奏楽部の音がだだ漏れでうるさい。  さらに、見...

✞ ☆番外☆ パソコンとインターネット ✞

✞ ☆番外☆ パソコンとインターネット ✞

文字数:約704文字  高校受験後から、本格的にインターネットに触りだした。  周囲からは「インターネット、 使えるの?すごいね ( よく分からない。オタクだね ) 」と言われる時代。  電話回線でつないでいたので、 繋 ( つな ) がるまでが長く、長くつなげておくことも出来...

✞ ☆番外☆ 伯父家族と父 ✞

✞ ☆番外☆ 伯父家族と父 ✞

文字数:約976文字   伯父 ( 父の兄 ) さんは数年間、がんと闘った末に亡くなった。  スズメちゃんは私と同じ高校三年だった。トンボ君は中学三年。アゲハちゃんは成人したばかり。  アゲハちゃんはすでに結婚していたという事もあって、トンボ君が喪主を務めた。  父と 伯父 ...

✞ 24話 学科消滅 ✞

✞ 24話 学科消滅 ✞

文字数:約1157文字  卒業前、事件の事も一段落した頃に元担任から手紙が来た。  それを読んだ後は……破り捨てたくなった。  それほどひどいものだった。  実物は無いので、記憶にある限りで書くとこんな感じの手紙。 『○○さんへ  こんなことになってしまって、ごめんね。  け...

✞ 23話 担任逮捕の理由 ✞

✞ 23話 担任逮捕の理由 ✞

文字数:約1313文字  家に帰って、私が何かを言う前に母が「大丈夫だった?」と聞いてきた。 「テレビがいたけど、何があったの?」  私は早速聞いたが、母は「新聞を読めばわかるわよ」と言った。  当時は全国紙をとっていた。全国紙の中の地方の紙面に小さくその事件は載っていた。  ...

✞ 22話 担任がいない ✞

✞ 22話 担任がいない ✞

文字数:約1035文字  教室内の空気はもっと異様だった。  泣きだしている女子がいる。あちこちで 囁 ( ささや ) き声が飛び交っている。  けれども、具体的な話は全く分からない。  が、教室の空気が『悪い事はこの教室内の出来事』という事を伝えてきた。  ホームルームにやっ...

✞ 21話 受験 ✞

✞ 21話 受験 ✞

文字数:約965文字  私は推薦受験を受けた。  受験は私だけではなく、はーちゃんもだったが……はーちゃんは高校のレベルを下げて受験することに決めた。  それまで兄弟で比べられてウンザリしたせいだと、後から聞いた。  ただ、はーちゃんの中学生活は優等生とは程遠く、どちらかと言...

✞ 20話 受験の書類 ✞

✞ 20話 受験の書類 ✞

文字数:約809文字  3年生になって、受験の話がメインの日々になってきた頃。  私は専門学校への進学を決めて、準備を進めていた。  けれど、推薦入試を選んだのは書類提出ギリギリのタイミングだった。  書類は学校での記載部分を残して、すべて書いた。  学校で必要な記載部分を書い...

✞ 19話 相談室 ✞

✞ 19話 相談室 ✞

文字数:約1257文字  相談室は保健室の隣にあった。  2年の途中から卒業まで、放課後は相談室に行った。  相談室は二つに分かれていて、片方は『相談する場所』片方は『先生がいる場所』だった。  最初は相談者がいても、「静かにしているなら、いてもいいよ」と言ってもらえていた。...

✞ 18話 相談室と教室 ✞

✞ 18話 相談室と教室 ✞

文字数:約972文字  2年も半ばになったころ、こたみちゃんと再び話すようになった。  正直、何がきっかけだったのか全く覚えていない。  とにかく、放課後になるとこたみちゃんが来て、私を保健室に連れ出す。  具合が悪いわけではなくて、保健委員になったから手伝えと言うのだ。  私は...

✞ 17話 文化祭とバーベキュー ✞

✞ 17話 文化祭とバーベキュー ✞

文字数:約1150文字  高校の教室で私は、一人だった。  3年に一度の文化祭があった。各教室が出し物を出す。就職コースだった私のクラスは、進学コースとは違って『お金』を扱う事が出来た。  けれど、お金はいろいろと面倒なので『お化け屋敷』に決まった。 「今日、皆で作るからね」...

✞ 16話 転校一名 ✞

✞ 16話 転校一名 ✞

文字数:約707文字  入学してすぐに話しかけてきた子が居た。  その子と仲良くなることはなかったし、私に話しかけてきた理由もよく分からない。  大人しくて、扱いやすそうと思われたのかもしれない。  私はクラスではほぼ誰とも話さない学生生活を送っていた。  それまでは、何だか...

✞ 15話 嫌な感じの印象 ✞

✞ 15話 嫌な感じの印象 ✞

文字数:約659文字  高校に入って、初めての三者面談の時だった。  いつものように、可もなく不可もない会話で終わって、母と教室を出た。  次の人が入ってくのを目の端で見つつ、廊下を歩いて教室から離れて行く。  教室から離れて、階段を降りながら母がぽつりとつぶやいた。 「なんだ...

✞ 14話 教育実習生 ✞

✞ 14話 教育実習生 ✞

文字数:約1291文字  教室に教育実習生が来た。  元気で若く、はつらつとした感じの教育実習生は、担任と比べるととても真面目に見えた。  もちろん、担任だって初めからこんな『手抜き』だったわけではないのだろうけれども。  ちょうど実習の時期に高校総体があった。  私たち一年生...

✞ 13話 惰性の担任 ✞

✞ 13話 惰性の担任 ✞

文字数:約926文字  高校の担任は、特に特徴のない男性だった。  誰かに似ていたとか、面白いという要素とかは見当たらなかった。  ただ、担任が顧問をしている部活が結果を残していて、それは担任のおかげという事らしかった。  それまで弱小だった部活を強くしたのが担任なのだと。  ...

✞ 12話 惰性の高校生活 ✞

✞ 12話 惰性の高校生活 ✞

文字数:約920文字  特にやりたい事も、夢や希望も何もなく高校生になった。  唯一、存在したのは、『まだ、生きているなんて』という絶望だけだった。  推薦入試を頑張った割には、高校には何も期待をしていなかった。  高校でも半分くらいは見た顔だった。  こたみちゃんとは同じ高...

✞ 11話 推薦入試 ✞

✞ 11話 推薦入試 ✞

文字数:約1036文字  しつこいが、私はお 喋 ( しゃべ ) りが苦手だ。  私が何とか最低限のお 喋 ( しゃべ ) りをしていたのは、こたみちゃんがいたからだ。  受験の時、推薦入試が視野に入らなかったのは『面接』があったから。   ホタルちゃん ( 母方従姉妹 ) ...

✞ 10話 痴漢被害 ✞

✞ 10話 痴漢被害 ✞

文字数:約1263文字  新校舎は明るくて木の香りが心地よかった。  廊下があることも、便利な事だと思っていた。  それは、掃除の時間が終わった後、皆がそれぞれバラバラと教室に戻っていく。  私はとても疲れていたので、皆が戻るのを見ながら教室にゆっくりと戻って行った。  と、...

✞ 9話 新校舎へ ✞

✞ 9話 新校舎へ ✞

文字数:約982文字  中学校入学時はボロボロの校舎に入って、このままこの校舎で卒業するのかと思っていた。  中学2年の終わりには、新校舎予定地に工事車両が入った。  新校舎は急いで作られて、中学3年の夏休みには完成した。  残り半年ほどしかないその校舎への引っ越しの中心は、...

✞ 8話 いじめ傍観 ✞

✞ 8話 いじめ傍観 ✞

文字数:約1337文字  ある日の調理実習の時。  事件は料理完成後、盛り付けの時に起きた。  グループの男子が席を立って、テーブルから離れた。  その隙に他の男子がその男子のお皿に、なにかをしているのが見えた。  見えたが、具体的に何をしているのかは分からなかった。  ひそ...

✞ 7話 親代わり ✞

✞ 7話 親代わり ✞

文字数:約645文字  私が中学生になると、 くーちゃん ( 弟 ) が小学生になった。  それまでは私と父、 ほっちゃん ( 上の妹 ) と母、 はーちゃん ( 下の妹 ) くーちゃん ( 弟 ) と祖母の組み合わせで学校の親子行事をしていた。  私が中学になって父は抜けた。...

✞ 6話 喋らない子 ✞

✞ 6話 喋らない子 ✞

文字数:約1473文字  小学生の時から、あまり 喋 ( しゃべ ) らない子が気になっていた。  彼女とは小学校でクラスが一緒だった。名前はカワムラさんと言った。  中学の1年生までは一緒のクラスで、2年からは体育の時間だけ一緒になった。  お互いに 喋 ( しゃべ ) ら...

✞ 5話 美術部 ✞

✞ 5話 美術部 ✞

文字数:約1627文字  美術部は、ほとんどが幽霊部員だった。  部活の日(授業時間に組み込まれている)でなければ、人は集まらない。  私が入ったのは1年の半ばというころだったので、最初の部長はさっさと引退して次の部長へと引き継がれた。  新しい部長は人が来ない事を嘆きながらも...

✞ 4話 運動部と男性顧問 ✞

✞ 4話 運動部と男性顧問 ✞

文字数:約1167文字  中学では、最初に運動部に入った。  運動音痴の私が、運動部に入ったのは単なる興味本位と友達に誘われてだった。  最初は友達と一緒に真面目に部活をしていた。  部活場所は3カ所あって、一つは学校。一つは家から遠い体育館。一つは家の近くの体育館だった。 ...

✞ 3話 個性豊かな先生たち ✞

✞ 3話 個性豊かな先生たち ✞

文字数:約858文字  一学年のクラスが増えて、教科ごとに先生も変わる。  関わる先生の数がぐっと増えた。  小学校の先生は真面目でこれと言った特徴がない人が多かったが、中学に入ると個性豊かな先生たちが居た。  まず一人目。  たぶん、令和の時代には問題になるかもしれないが、...

✞ 2話 新しい友達と今までの友達 ✞

✞ 2話 新しい友達と今までの友達 ✞

文字数:約1680文字  それまで一緒だったこたみちゃんとは、隣のクラスになった。  その他の友達とは全く別のクラスになってしまって、接点がなくなった。  そもそも校舎の造りが複雑なので、必然的に階段を挟んだ隣の教室以外とは行き来が難しい。  下手をすると教室の場所さえも分から...

✞ 1話 新しい制服と古い校舎 ✞

✞ 1話 新しい制服と古い校舎 ✞

文字数:約1231文字  中学も制服だった。  ブラウスは小学校の物をそのまま使えるが、新しくそろえる人が多かった。  冬はセーラー。夏はブラウスに 紐 ( ひも ) リボンの制服だった。  小学校で使えたズボンの制服は、中学ではなくなった。  真冬は下半身が冷えて死にそうだっ...

✞ ☆番外☆ 裸の写真 ✞

✞ ☆番外☆ 裸の写真 ✞

文字数:約463文字  子どもの身体は変わっていく。  身長が伸び、体重が増えるだけではなく、体つきが変わっていく。  大人と子供の間の身体になったころ。  お風呂から上がると、母がカメラを構えて飛んできた。 「写真を撮ろう」  一瞬、ポカンとした。まだ、素っ裸にタオル一枚だ...

✞ ☆番外☆ 図工の時間と白いペン ✞

✞ ☆番外☆ 図工の時間と白いペン ✞

文字数:約1014文字  親子参観など、親子で何かをする事が多かった小学校時代。  私は大抵、父と組む事になった。 ほっちゃん ( 上の妹 ) は母と、 はーちゃん ( 下の妹 ) は祖母と組む。  その時は、図工でのこぎりを使って、何かを作る事になった。  何を作ったのかは覚...