文字数:約463文字
子どもの身体は変わっていく。
身長が伸び、体重が増えるだけではなく、体つきが変わっていく。
大人と子供の間の身体になったころ。
お風呂から上がると、母がカメラを構えて飛んできた。
「写真を撮ろう」
一瞬、ポカンとした。まだ、素っ裸にタオル一枚だけの姿だった。
いつも、ほっちゃんはーちゃんと一緒にお風呂に入って、出てくるのも一緒だった。
「え?なんで?」
「今しかないから」
何が今しかないのか、訳が分からない。
母は、「ほら3人で、並んで、タオルは外して」と私たちを並ばせる。
「えー」
と言いながら、一枚目は嫌々撮った。
ほっちゃんとはーちゃんは、「もう、やだ。寒い」と言いだした。
母は、「いいから。あと少しだけ」と言って、さらに数枚撮った。
……。
今になって思うと、虐待ではないのか?と考える。
ただ、母の性格を考えると本当に『貴重な成長の記録』と思って、写真を撮ったんだろうと思う。
カメラは当時、写真屋で現像をするフィルムだった。
現像をした写真屋さんはどう思ったのかも、気になる。
今だったら、通報されるのだろうか?
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