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✞ ☆番外☆ 運動会 ✞

2023/02/18
文字数:約701文字
 中学で、運動会の看板を描く事になった。
 それぞれの団の後ろにある、応援の看板。それは四神の姿が描かれていて、その年もそれぞれの団が四神を描いた。
 下絵に沿って、塗る。たぶん、美術部だったからだと思うけれど、なぜそうなったのかは覚えていない。
 私とこたみちゃんは、赤団の朱雀すじゃくを描いた。夏休みの体育館で看板を広げて塗っていく。
 人はそれなりにいた……と思う。時々、団長さんや副団長さんが絵のチェックをする。
 部長も、他の団の絵を描いていた。

 赤団の絵を描いてはいたけれども、私もこたみちゃんも赤団ではなかった。
 自分の団ではないものを描いていることが、少し不思議だった。

 絵を描くために夏休みに学校に行く。
 そして、絵を描きながら、雑談をして、漫画の交換もしあった。
 先生が見張っているわけではないし、夏休みという解放感もあって、漫画の交換はやりやすかった。
 当時、四神を元にした漫画があったので、それを見ながら看板を描いたような気がする。
 そうやって夏休みが過ぎて、看板はペンキが足りないとぼやきながらも完成した。

 ただ、これは二年の時だけで、他の時にやった記憶はない。
 三年の時は、引っ越しで忙しかったからなのだろうか?



 高校にはいると、運動会は面倒なものへと化していった。
 応援の練習量も減り、惰性で行われている運動会は、嫌悪でしかなかった。
 うるさい応援の音も、暑さも、人の密集度もストレスでしかなかった。

「それ、どうしたの?」

 こたみちゃんが、私に近づいてきて腕を指さした。
 私は、「なんでもない」と答えた。
 腕は爪が食い込んで、凸凹になっていた。

 運動会……自由参加なら、絶対参加しなかった。




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