編集

✞ 12話 猫が噛む ✞

2023/05/12
文字数:約807文字
 あげはちゃん父方従姉妹が、私と同じように試験を受けて合格をした。
 あげはちゃんに最後に会ったのは、高校生の頃だった。数年ぶりに会ったあげはちゃんは、少しだけ落ち着いていた。
 夜遊びをして、金髪ピアスだったあげはちゃんは、夜遊びをしない金髪になっていた。
 久しぶりのあげはちゃんに、どう接していいのかわからなかった。

 季節が初夏に変わったころ、猫の散歩中に猫にまれた。
 臆病な猫だったので、私の足を何かと勘違いしてんだのだろうと思う。
 思いっきりまれて、足が血まみれになったので病院へ行った。

 病院では「ネコにまれたの??」と何度か確認された。
 処置は簡単で、消毒の後、包帯を数巻きされただけだった。
 抗生物質の薬をもらって帰った。
 が、出血は止まらなかった。
 夜には包帯が血まみれになり、大惨事になった。
 このまま寝ると、布団まで事件の跡になってしまう。
 父が「ラップを巻けばいい」というので、ラップを巻いて寝た。

 包帯が数巻きだったのは、猫だと大したことがないと思われたからだろう。
 傷口は「猫の牙四つ」だったが、太い血管にヒットしていたので血は止まらなかった。
 小さな傷でも、大きな血管を傷つけると大出血する。
 少なくとも、貧血っぽい立ちくらみを感じるくらいには、血を流した。

 ラップを巻いて病院に行くと、「なぜ、こんな事をしているんだ」と医者に怒られた。
 医者側からすれば「ラップを巻いて雑菌が入ると困る」なのかもしれない。
 血まみれ包帯では眠れなかった。家に包帯はなく、ラップしかなかったのだ。

 会社でも「猫?本当に?」と怪訝けげんな顔で確認された。
 猫もむ。猫を虐めたわけでは、ない。
 ちょっと狭い場所に入り込んだので、リードを引いたらびっくりして足にみついてきた。
 リードを付けた猫は変わっているらしい。
 散歩をしていると、スピードを落として猫を二度見する車があった。


 今でも、この時の傷は足に残っている。




<<前  目次  次>>