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✞ ×3× ✞

2022/05/12
文字数:501文字

【 退職願い 】

1月19日(月)

指導者に辞めたいと伝えた。
「まだ、頑張って」と返されて何も言えなくなった。
「次も決まってないし、まだ始めたばかりじゃない」
それでも、辞めたかったのだ。


1月30日(金)

休んだ。
辞めたかった。
父になだめられて何とか続ける事にした。


3月2日(火)

課長さんに怒られた。
怒られたというか窘たしなめられた。
やる気がないのか と。
その場で「ない」ときっぱり答えられなかった。
言えないのだ。
やる気なんかない。
でも、父が頑張ってと言う。
いい子でいたかったのだ。

何もかもが腹立たしかった。

こんな会社を紹介した父も
頑張ってという会社の人も

だけど、一番腹立たしいのは

何も言い返せなかった自分。

言いたい事があったはずなのに、声にならない。
何一つ、自分の意思ではない。
ただ、流されて。
流されて……

苛立った。
頭を冷やそうと思った。
雨が降っている中、駅から家まで歩いた。
家までの帰り道さえ知らず、ただ勘で歩いた。
雨が雪に変わった。
延々と歩いて歩いて。

知ってる場所に出た。後、2時間ぐらいだと思った。
雪が冷たくて、体が凍えた。
駅から4時間ぐらい経って、歩くのに疲れて家に電話した。

車のライトが冷たく光っていた。




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