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✞ ×12× ✞

2022/05/12
文字数:約306文字

【 遮断する心 】


待てなかった。
待とうと思った。

せめて、書類を書くまで―


携帯のアドレスが消える。
着信記録。
発信記録。
メールの受信箱。
送信箱。
そして、パソコンも同じように……

消し去った。

安堵する。


私が伸ばす手は無い。
私に届く声も無い。

ただ、傷跡だけが私に安らぎをくれる。

涙の雫の代わりに血の雫。

泣く必要なんて無い。
切る事は悪い事じゃない。
生きるために。

私が生きるために必要。

判ってなんてくれなくていい。
止めないでくれれば、それでいい。


発作的に切り出して、止まらなくなっても

止めない。罪悪は無い。


死ななければ、それでいい。


だって、変わったもの。
私は変わった。

傷が癒しになると知ったから――


いたみ。
傷あと。
リスカ。
×××。





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