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✞ 8話 怒り ✞

2023/06/01
文字数:約964文字
 オフ会が終わって、最初のチャットで私は聞いた。


 タナトス:……質問。  守り人さんの私への評価は?

 守り人:…難しいね。言葉をろくに交わせてないから。悪い意味じゃ無くてね。
     ただ、タナさへの評価は割と高い場所に在ると思って。

 タナトス:気が付いてないね。

 守り人:ワシに対して警戒してたコト?
     違ってたらゴメン。ただ、そう感じた。他の点に関しては、気持ちの変異の範囲内だと思っている。

 タナトス:他の点って?

 守り人:ワシに対して目線を意図的に外している様に思えた点と、ワシに気を遣ってる様に見えた点。

 タナトス:カラオケで席を立つとき、何度かカバンを持って行ったの気が付いた?

 守り人:ごめん、気付いてない。

 タナトス:じゃ、いい。
     オフ会は楽しく終ったでしょ? 大半の人にとっては。

 守り人:そうだね…でも、タナさは違った…と。

 タナトス:私も楽しかったですよ。と思っていた。 最後の最後で、会長様に嫌な思いさせるまでね。

 守り人:会長様に謝った? 謝るまでも無い事だったら、そうでなくても構わないだろうけど。
     けじめはつけておいた方が良いと思う。

 タナトス:謝る? 謝るくらいなら、しなければ良いって私が一番判ってるんですよ。 謝る事が出来るならきっと、もっと楽なはず。

 守り人:…そうだね、ごめん、余計な事を云った。


 オフ会は成功だった。皆、楽しかったハズだった。
 私だけが、全く違う事を考えていた。守り人さんへのストレスと恐怖。自傷の不安。会長様の視線。
 守り人さんは、悪くはない。ただ、勘が悪いだけだった。
 そして、守り人さんの私への評価も私にはどうでもいい事だった。
 どうせなら、幻滅してくれた方が助かるとすら思ったが、さすがにそれはなかった。
 こちらは毛玉セーターではなくて、可愛かわいいワンピースだったのだから。


 私が誰を好きなのかを、私はオフ会で改めて知ってしまった。
 そして、守り人さんとの関係は続かない事も、次に会うことはないかもしれない事も分かってしまった。

 私が欲しいのは【たった一人】の言葉だけ。


 それでも、守り人さんとの関係が断ち切れないのは、依存しているからだ。
 『いい人』でありたくて断ち切れない私の態度も、嫌だった。
 断ち切りたくて、断ち切れなくて、私は曖昧なままだった。




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