文字数:約889文字
ある日、水着の話になった。
タナトス:水着なんて見てるだけがいい。買う、着るのは頭の中に入ってないです。
守り人:日焼けするのに着る…とかも無い?
タナトス:日焼けなんてする予定もない……
守り人:まぁ、水着になるのも好き好きだしねぇ…
…ぃゃ、えっちな意味じゃ無くてね。何だか、元気さ加減とか、爽やかさとか感じるのよ、水着ではしゃぐ姿って。
…気ィ悪くしたらゴメン。
タナトス:残念。水着はないです。
気を悪くしたらと思うのなら、黙ってほしい。
ここで水着のデザインの話にまでなったら、ますます不快になったかもしれない。
守り人さんではなくて他の人が、水着のデザイン話を振ってきたことがある。その時も不愉快だった。
男性が女性に語る水着のデザイン話は、気持ち悪いと思った。
その夜は歯磨きをしながら、守り人さんを待っていた。
まだ来ないだろうと思っていたから、ログインだけしておいたのだ。
そこに、守り人さんがログインしてきた。
タナトス:ごめん。ちょっと待って。歯磨き中
守り人:普段見れないプライベートな姿を見た気がして、ちょっとドキドキ
パジャマ姿とか想像しちゃいそう…
タナトス:パジャマじゃないですよ。
守り人:寝る前だと、そんな感じがして…
…ゴメン、ワシ、不純だから、タナさの寝姿とか想像してたりして……
タナトス:う~ん。理想像ですね。 そんなに可愛いもんじゃないですよ。
気持ち悪いと思った。妄想するのは構わないけど、黙ってほしい。
守り人さんのちょっとした感覚が、私の中の不快感に繋 がった。
この感覚は伝えたところで伝わらない、微妙な感覚ということも自覚している。
一度、「生理の血で服を汚してしまった」という事を話した。
そこから、生理周期を計算したのか、私が不愉快を伝えると『生理だと思った』というのも不愉快だった。
そう思うならば、「体調悪いなら、早く寝た方がいいよ」と伝えてくれた方がありがたい。
わざわざ不愉快なチャットをやる必要はなかった。
そんな感じで、守り人さんとのチャットは、楽しいばかりではなかった。
<<前 目次 次>>