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✞ 1話 声のホームページ ✞

2023/06/01
文字数:約666文字
 学生の頃、「声遊び」にはまっていた。
 他の人のネットラジオを聞いたり、声のホームページを巡ったりもしていた。
 そのうち、とある声のページを見つけて、気に入った。
 そのホームページは、初心者さんへといったコラムもあって、読み応えがあった。
 声も毎月更新されていて、うまくて綺麗きれいな声だった。
 勉強になる事も多くて、掲示板に書き込みもした。

 やがて、掲示板の常連の守り人さんと知り合いになった。

 掲示板だけのやり取りは、パソコン関係の質問からメールへと移った。
 とはいえ、それほど頻繁ではない。週一メールがあればいい方で、掲示板の方が頻繁に顔を出しているくらいだった。

 学校を卒業しても、仕事が見つかった事や辞めた事などをメールしていた。
 保険の仕事の話もしていた。その頃からメールの回数も増えたような気がする。


 メールがやがて、チャットに移行した。
 チャットの名前は『ノア』になっていた。
 しかし、守り人さんはメールのやり取りで使っていた名前「タナトス」から「タナさ」と私を呼んでいた。

 チャットへの、きっかけは『自傷行為』だった。
 私の不安定な心が、他人を求めた結果だった。

 守り人さんは、「自傷行為をしないで」と止めた。

 同時に私はこの頃、会長様ともメールやチャットのやり取りが頻繁になった。
 こちらにも「自傷」の話を話していた。
 けれど、会長様は忙しかったので、思ったようにチャットが出来るとは限らなかった。

 対して、守り人さんは夜になるとチャットアプリにいた。
 守り人さんの方が会話の時間が長く、いろんな事を話すようになった。




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