文字数:約666文字
学生の頃、「声遊び」にはまっていた。
他の人のネットラジオを聞いたり、声のホームページを巡ったりもしていた。
そのうち、とある声のページを見つけて、気に入った。
そのホームページは、初心者さんへといったコラムもあって、読み応えがあった。
声も毎月更新されていて、うまくて綺麗 な声だった。
勉強になる事も多くて、掲示板に書き込みもした。
やがて、掲示板の常連の守り人さんと知り合いになった。
掲示板だけのやり取りは、パソコン関係の質問からメールへと移った。
とはいえ、それほど頻繁ではない。週一メールがあればいい方で、掲示板の方が頻繁に顔を出しているくらいだった。
学校を卒業しても、仕事が見つかった事や辞めた事などをメールしていた。
保険の仕事の話もしていた。その頃からメールの回数も増えたような気がする。
メールがやがて、チャットに移行した。
チャットの名前は『ノア』になっていた。
しかし、守り人さんはメールのやり取りで使っていた名前「タナトス」から「タナさ」と私を呼んでいた。
チャットへの、きっかけは『自傷行為』だった。
私の不安定な心が、他人を求めた結果だった。
守り人さんは、「自傷行為をしないで」と止めた。
同時に私はこの頃、会長様ともメールやチャットのやり取りが頻繁になった。
こちらにも「自傷」の話を話していた。
けれど、会長様は忙しかったので、思ったようにチャットが出来るとは限らなかった。
対して、守り人さんは夜になるとチャットアプリにいた。
守り人さんの方が会話の時間が長く、いろんな事を話すようになった。
<<前 目次 次>>