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守り人さんに、コンサートに誘われた。
狂気の囁 きで「行く」と答えたけれども、私は迷っていた。
悩んでいるところに、チャットで会長様に会えた。
ノア:こんにちは
会長様:こんにちは
会員様:こんにちは。ノアちゃん
会員様も含めて、3人でのお喋 りが始まる。昼間だと言うのに、人がいるのは不思議な感じがした。
しばらく3人で話した後で、会長様が『ちょっと離れる』と無言になった。
私は、会員様に守り人さんにコンサートに誘われているという話をした。
案の定、会員様から『危ないよ』と言われてしまう。
会員様は私が年下という事を分かった上での言葉だった。
『大丈夫』『危ない』というやり取りの途中で、会長様が戻ってきた。
会長様:それ、聞いていないケド?どーいうこと?
うん。言っていないもの……と思いつつ、これはマズイと思った。
画面越しの静かな文面が怖い。
そのうちに会員様が、『じゃぁ。またね』と退室した。
退室したので、私たちも別場所に移った。
ここでは他の人が入ってくるので、落ち着いて話せないからだった。
会長様が言いたいことは、目に見えていた。
そして、思った通りの言葉のやり取りが繰り広げられた。
簡単にいえば『危ないから、行くのはやめなさい』と言う事だ。
そこに私が返す言葉は『信用できるから大丈夫』という、とても信用できるものではない言葉しかなかった。
平行線の話の末に、第二ラウンドの鐘が鳴った。
会長様:ノアちゃんと行く人……守り人さんだっけ?その人と、話がしたい。
恐怖しかないが、断る言葉が見つからなかった。
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