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✞ ☆番外☆ 部屋 ✞

2023/06/25
文字数:約514文字
 妹が東京へ遊びに来たので、会長様に泊めてほしいとお願いした。
 けど、前日、用事が出来たから無理と連絡が来た。

 それを無理やりお願いして、泊めてもらった。
 いろんな意味で、無理をしたなと思う。

 一応、妹の前では笑っていたが、お互いに全然笑えていなかった。
 「はじめまして」の挨拶あいさつが終わると、妹を連れて会長様の部屋へ行った。

 ふと、部屋を見渡すと、以前よりもモノが増えている事に気がついた。

「モノが増えて……る」

 振り返って会長様に話しかけようとした言葉は、空に消えた。
 独り言のようになってしまった言葉に、マズイと思ったけれど後の祭りだった。
 妹が言葉を拾って、広げてくれたら……なんて思ったけれど、疲れている妹は私の言葉を聞いてもいなかった。


「あの部屋は私の部屋なのに、なぜ、自分の部屋のように言うの」

 妹が帰った後、会長様から怒りのメールと言葉をもらった。

「私に話しかけてくれるなら分かるケド、独り言で言う言葉ではないでしょ」

 会長様の言葉はもっともだった。

「ごめん。そんなつもりはなかった」
 と謝ってなんとか、怒りを収めてもらった。


 本当は、話しかけようと思ったけれど、会長様が怖くて話しかけられなかった……とは、言えなかった。




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